2007/2月  
がん撲滅に向け、高度先進医療センターを横浜に!
がんは日本人の死亡原因第一位になっている病気で、
国が行っている、平成14年度の人口動態統計によると、
神奈川県では、年間全死亡者数の33%に当る17,570人が、がんで亡くなっており、
横浜市で見ると、同じく、年間全死亡者数の33%に当る7,063人が、がんで亡くなっております。
国は平成16年度に、新たながん施策として「第三次対がん10か年総合戦略」を展開し、
<先進的がん治療方法である重粒子線治療の確立と治療装置の小型化>を進めています。
こうした国家プロジェクトの流れを受けて、横浜市でも、市民医療の向上を目指し、
「先進的がん治療」を新たに導入すべく、
私の所属する、市会「こども青少年・健康福祉・病院経営委員会」は、
横浜市立大学医学部付属病院と連携しながら、調査検討を重ねております。
国内では、独立行政法人放射線医学総合研究所「重粒子医科学センター病院」(千葉市)が
放射線診療の最先端の治療技術を持ち、多数の重粒子線治療の臨床成績があります。
この病院は、高度先進医療の「固形がんに対する重粒子治療」を行う事の出来る、
「特定承認保険医療機関」として承認された病院で、
世界で始めて、医療分野でのイオン線治療装置(HIMAC)を開発しました。
その装置で発生させた重イオン(炭素イオン)を、
光の速さの8割もの速さに加速し(地球を毎秒4〜5回まわる速さ)、重粒子線にして、
がん治療を行います。
こうした病院は、2007年現在で国内にはまだ数箇所しかありません。
これまでのがん治療に主に使われてきたX線が
がん腫瘍部分以外に、周辺の正常組織も壊してしまうのに対し、
重粒子線は周辺の正常組織を殆んど壊さずに照射が出来
高い線量で、がん腫瘍部分にねらい撃ちできる事が特徴です。
また、その治療効果が高い事が実証されています。

前述の、独立行政法人放射線医学総合研究所「重粒子医科学センター病院」は
外観は5階建てですが、世界初の重粒子治療装置は地上1階〜地下2階までの空間を占め、
地上5メートル、地下は20メートルにまで掘り下げられたスペースに収まる
巨大な装置
になっております。
こうした実情から、治療装置小型化の早期実現が望まれています。
また、実際の「重粒子医科学センター病院」での治療費用面では、
診察・検査・入院・投薬費用の他に、高度先進医療費用自己負担分として
314万円が必要と言う事で、現状では、治療に高額の自己負担が生じます。
これは、現段階で、粒子線装置だけで、100億という数字の設備費が必要で、
(「放射線医学研究所」の研究成果で装置の小型化が進んでいますが)
病院の経営収支上、当面避けられない数字のようです。
横浜市で導入するとなると、病院経営収支面、患者が負担する治療費用面等、
難題は多々ありますが、市民医療の向上を目指すプロジェクトの新たな一歩として、
治療効果が高いと実証されている、重粒子治療を実施できる、
高度先進医療センター開設に向けて、検討・努力して参ります。

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